ルシアンと兄たちが水面下で争いはじめて二週間。
アマリリスの身辺はようやく落ち着きを取り戻した。
季節は早春を迎えて草花は彩りはじめ、力強く生命が煌めいている。いつものようにアマリリスが王太子の執務室へやってくると、ルシアンとテオドールが待ち構えていた。
「リリス、誕生日おめでとう! これは僕たちからのプレゼントだよ」
「まあ! ありがとうございます!」
「せっかくだから開けてみて」
ルシアンの言葉に促され、アマリリスはプレゼントを開く。
正方形のジュエリーケースの中には、ひと際大きな透明の宝石がついたピンクゴールドのリング状のブレスレットが収められていた。
ブレスレットはアマリリスとルシアンの髪色を混ぜたような華やかな色で、ひと目で気に入り手首につける。
「俺からのプレゼントは別で用意しているから、今度屋敷に戻ってくるといい。使用人たちもリリスに会いたがっている」
「テオ兄様、嬉しいです! プレゼントも使用人たちに会うのも楽しみだわ」
早速、テオドールがアマリリスを喜ばせると、手首につけた透明の宝石が淡いピンクに光った。
それを見たテオドールがニヤッと笑う。
「あら、これは魔道具ですか?」
「そうだ。アマリリスがどれだけ幸せか調べるための魔道具なんだ。幸福のブレスレットと呼ばれている」
「ふふっ、そんなことを調べなくても、私はもう十分過ぎるほど幸せです」
アマリリスの身辺はようやく落ち着きを取り戻した。
季節は早春を迎えて草花は彩りはじめ、力強く生命が煌めいている。いつものようにアマリリスが王太子の執務室へやってくると、ルシアンとテオドールが待ち構えていた。
「リリス、誕生日おめでとう! これは僕たちからのプレゼントだよ」
「まあ! ありがとうございます!」
「せっかくだから開けてみて」
ルシアンの言葉に促され、アマリリスはプレゼントを開く。
正方形のジュエリーケースの中には、ひと際大きな透明の宝石がついたピンクゴールドのリング状のブレスレットが収められていた。
ブレスレットはアマリリスとルシアンの髪色を混ぜたような華やかな色で、ひと目で気に入り手首につける。
「俺からのプレゼントは別で用意しているから、今度屋敷に戻ってくるといい。使用人たちもリリスに会いたがっている」
「テオ兄様、嬉しいです! プレゼントも使用人たちに会うのも楽しみだわ」
早速、テオドールがアマリリスを喜ばせると、手首につけた透明の宝石が淡いピンクに光った。
それを見たテオドールがニヤッと笑う。
「あら、これは魔道具ですか?」
「そうだ。アマリリスがどれだけ幸せか調べるための魔道具なんだ。幸福のブレスレットと呼ばれている」
「ふふっ、そんなことを調べなくても、私はもう十分過ぎるほど幸せです」



