【番外編】イケメン警察官、最初から甘々でした。

ゾウさん毛布にくるまり、ソファでぬくぬくしていた美香奈は、
涼介の腕の中で小さく呟いた。

「……眠くなってきちゃった……」

その声はもう、ほとんど夢の入り口。

涼介はそっと彼女の髪を撫でながら、囁くように返す。

「寝てもいいけど……ベッドの方が楽じゃない?」

その提案に、美香奈はゆっくりとこくんと頷いた。

すると涼介は、すっと身体を動かして、
軽やかに、美香奈を横抱きに抱き上げた。

「わっ……」

一瞬、宙に浮いた感覚に、美香奈がぽつりと呟いた。

「……お姫様抱っこ、だ……」

涼介の胸元に頬を寄せながら、
その腕の確かな温もりと安定感に、
安心しきって身を預ける。

「たまには、こういうのもいいでしょ」

そう言いながら、寝室の扉を足で軽く押し開けると、
涼介はゆっくりと彼女をベッドへと寝かせた。

掛け布団を引き寄せようとしたとき、
美香奈が目を細めながら、小さな声で囁く。

「……ゾウさん……」

その一言に、涼介はふっと笑った。

「はいはい、ゾウさん毛布ね。ちゃんとかけとくから」

ソファから持ってきた毛布を丁寧に広げ、
肩までかけてあげる。

美香奈はすでに目を閉じていた。

その静かな寝顔に、涼介はそっと近づき、
耳元で優しく囁いた。

「……赤ちゃん。おやすみ」

その言葉に微かにまぶたが揺れたけれど、
美香奈は何も言わず、眠りの中へと沈んでいった。

涼介は静かに立ち上がり、
そっと寝室のドアを閉めた。

そこには、
心から安心して眠れる人がいて、
それを守る人がいた。

たったそれだけのことが、
この上なく幸せに思えた。