薬を飲ませ、水を飲ませ、寝かしつけた直後。
美咲は廊下に出てスマホを握った。
(……このままじゃだめだよ)
連絡を入れたのは、神谷ではなく――長谷川だった。
「長谷川さん。ちょっとお願い。今、神谷さんに連絡とってもらえます?
……美香奈、かなりやばい。声、ぜんぜん出てないし、咳もひどい。
今日、点滴だけで帰されてるけど……、これ以上は、一人では無理」
電話越しの長谷川は、一瞬黙ったあと、小さくため息をついた。
『……わかった。俺から神谷に回す』
それからものの数分。
神谷から直接、美咲のスマホに着信が入った。
「――美咲さん? 美香奈……大丈夫ですか?」
声は明らかに、焦りの色を含んでいた。
「……さすがに限界っぽい。もう限界超えてるかも」
「今から、行きます。すぐ向かいます」
切羽詰まったようなその声に、美咲はわずかに息を抜いた。
リビングへ戻り、美香奈に伝える。
「神谷さん、今から来るって」
目を閉じていた美香奈が、ゆっくりとまぶたを開けた。
「……そっか……。ありがとう。……ほんとに……ありがとう」
その声は、かすれていて、弱々しくて、
けれど確かに安堵がにじんでいた。
美咲は廊下に出てスマホを握った。
(……このままじゃだめだよ)
連絡を入れたのは、神谷ではなく――長谷川だった。
「長谷川さん。ちょっとお願い。今、神谷さんに連絡とってもらえます?
……美香奈、かなりやばい。声、ぜんぜん出てないし、咳もひどい。
今日、点滴だけで帰されてるけど……、これ以上は、一人では無理」
電話越しの長谷川は、一瞬黙ったあと、小さくため息をついた。
『……わかった。俺から神谷に回す』
それからものの数分。
神谷から直接、美咲のスマホに着信が入った。
「――美咲さん? 美香奈……大丈夫ですか?」
声は明らかに、焦りの色を含んでいた。
「……さすがに限界っぽい。もう限界超えてるかも」
「今から、行きます。すぐ向かいます」
切羽詰まったようなその声に、美咲はわずかに息を抜いた。
リビングへ戻り、美香奈に伝える。
「神谷さん、今から来るって」
目を閉じていた美香奈が、ゆっくりとまぶたを開けた。
「……そっか……。ありがとう。……ほんとに……ありがとう」
その声は、かすれていて、弱々しくて、
けれど確かに安堵がにじんでいた。



