【番外編】イケメン警察官、最初から甘々でした。

ソファに並んで肩を寄せ合いながら、涼介と美香奈はまったりとした時間を過ごしていた。
少し落ち着いてきた美香奈に、涼介はふと、思い出したように話を振る。

「そういえばさ……茨城といえば、菅沼ってやつがいたなぁ。今どうしてんだろ」

何気ないような一言だったが、美香奈の中にざわりとした違和感が走る。

「……菅沼さん?」

美香奈は心の奥底で、どこか聞き覚えのある名前だと感じていた。
しばらく考え込むようにして、出張中に起きたカフェでのトラブルを思い出す。

(……調書。調書の最後……)

はっとして、美香奈は立ち上がり、鞄の中から控えとして渡された資料を取り出した。
その一番最後の行。右下の欄に、しっかりとこう書かれていた。

「担当者:菅沼」

思わず涼介を見て、「茨城の警察官とも知り合いだったの?」と問いかける。

涼介はパーカーを脱ぎながら、何でもないような顔で「まあね」と笑う。

「警視庁の捜査2課にいた人だよ。捜査本部立ち上げのときに、一緒に動いたことある」

美香奈は、その言葉に体が一瞬固まった。そして少し震える声で聞く。

「……まさか、今回のこと、最初から知ってたの?」

涼介は美香奈の目を真っ直ぐに見て、少しだけ目尻を下げて優しく答えた。

「なんとなくね。でも、ちゃんと美香奈の口から聞きたかったから」

その言葉に、美香奈は背筋に寒気を覚えると同時に、どこか安心もしていた。

(世間、狭すぎる……)

警察官同士のネットワークの強さと情報の早さ。
知らぬ間に見られ、知らぬ間に守られていたことに、美香奈は身震いする。

「……どこで見られてるかわからないな……怖い」

そう呟いた美香奈に、涼介はいたずらっぽく笑って、そっと肩を抱き寄せる。

「見てるよ。いつでも、ちゃんと。俺が一番近くで」

その言葉に、美香奈は安心と照れが入り混じったような気持ちで、そっと涼介の胸に顔をうずめた。