長谷川と美咲が、思いのほか相性抜群だったらしいことを、美香奈は最近よく感じていた。

会うたび楽しそうに進捗を報告してくる美咲は、すっかり長谷川に心を寄せているようで、ついには「観閲式にも行く予定になったの」と笑顔で言ってきた。

「じゃあ一緒に行こっか」と美香奈が応じると、美咲は目を輝かせて頷いた。

「それでね…実は、最近ずっと服買ってなくて。ちゃんとしたデート用の服って持ってないの。美香奈、今度一緒に見に行ってくれない?」

その申し出に、美香奈は思わず微笑んだ。美咲は自分より少し背が高く、すらっとした体型で、どんな服も着こなせそうなのに、こうして不安そうに頼ってくれるところが、また彼女らしくて愛おしかった。

「もちろん。任せてよ、いい勝負服一緒に探そ」

そう言って頷くと、美咲は嬉しそうに「やった!」と声を上げた。

その帰り道、美香奈はふと、長谷川と美咲が並んで歩いている姿を想像した。

真面目で優しい長谷川と、明るくて気配り上手な美咲。きっと、二人ともお互いにとって、居心地の良い存在になるだろう。

観閲式の日、警察官たちのきびきびとした姿の中で、美咲と長谷川の間にも、きっと静かに特別な時間が流れるのだろう——そう思うと、美香奈の胸の奥がほんのりと温かくなった。