「私の名前は淡雪乙花。白咲さんは関西の子なの?」





「瑠奈でええよ。小学校までは東京やったんやけど、中学になって引っ越して関西行ったから、これはその名残や。標準語で話すこともできるけど⋯⋯分かりずらい?」






「ごめんね。事情があるのに申し訳ないけど、標準語でもいいかな⋯?」





「全然いいよ!」





彼女はこれでもかというほど接しやすく、親しみやすかった。

雨の日に出かけるだけで、こんなにもいい人と出会えるなんて、なんて恵まれているんだろう。