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夜、静寂な街並みに雨の音だけが響く。


唐突に家から出たくなった。

なんの支度もせず、家を出た。



優しい雨⋯⋯

雨なのに、打たれている感じがしなくて不思議だった。




駅の近くの交差点の商店街には、色んなお店がある。


八百屋、雑貨屋、居酒屋。

ジャンルの幅が広いから、買い物好きにはたまらない空間だ。



歩道橋から見つめるその景色は、美しく見えた。

暫く見つめていると、降ってきていたはずの雨が消えた。





「大丈夫?傘さしてないけど⋯⋯⋯」





え?

誰、この人⋯?

振り返ると、私と同じぐらいの歳の可愛い女の子がいた。





「え、えと⋯」





「全身びっちょやん!まさか手ぶらなんか?傘入る?」