冷蔵庫からコーヒーを出してマグカップに注ぐ。

牛乳をレンジで温めてマグカップに注ぎ、最後にガムシロップを少し入れる。


母様は「辛い時はこれを飲みなさい」って言ってた────






「⋯⋯⋯美味しい⋯」





ホットミルクティーを飲んで、心を落ち着かせる。

一人きりで飲むのは、少し寂しいけど、何故か落ち着いて、幸せな空間だった。





両親は中学生の頃、私を庇って亡くなった。

それからは、7歳年の離れた姉が私を育ててくれた。


とっくのとうに成人して海外へ出張に行っていた姉が2年間私を育てた。

亡くなったと聞いて、すぐに駆けつけてきた。


苦しくて仕方がなかったはずだ。

最後に両親の顔を見たのは1年前だったからだ。

でも、姉はほとんど泣いていなかった。


その頃の私にとってはかっこよくて仕方がなかった。

だから私も、姉のようになって、いつか自分で自分を懲らしめたい。


両親の仇をとるために──────