一人になって、私の周りにだけ、分厚い壁が囲まれているような、そんな状況がただ、怖かった。





「あんた、正直ウザイよ」





そっ、か……

すうっと消えていきそうな涙を拭う。

友達だと思ってたのは、私だけだったんだね。

私がただ、一人で勘違いしてただけだったんだね。





「ごめんなさい。もう、関わらないようにするね」





最後に涙でぐしゃぐしゃになった顔でニコッと笑ってから、教室から出た。



走って、走って。


足の痛みも、涙も、今の感情も。

そういう全てのことを忘れて、いっそ記憶ごとズタズタに切り裂いてやろうかって言うぐらい、ぐちゃぐちゃだった。



教室からカバンだけ持って、急いで昇降口に向かった。




まるで何かから、『逃げている』かのように─────