【完】オキナグサに愛を込めて



『…レンさん?』

いつもより少し早く歩くレンさん。


靴箱で靴を履き替えるところを見ると、わたしの鞄は明日までこの学校に置いておく事になったらしい。


校門を出てすぐ近くの空き地にはバイクが数台停められている。
きっとアキトさんやユウキさんのバイクもある。


その中の真っ黒な車体に足を進めるレンさん。


…無言で跨りわたしへ手を伸ばす。
伸ばされた手を取りわたしもバイクへ跨る。


わたしがレンさんの腰へ手を回したのを確認するとバイクは動き出した。