太陽の言葉は玄関扉が開く音に
かき消された。
「ちょっと、
なんなのこの箱?」
カツカツとヒールの音を立てながら
つやつやの黒髪ロングに
大きなつばの麦わら帽子をかぶった女性が
マンションの中に入ってきた。
腰は私の胸くらいあるんじゃないか
と思うくらい高いし、
胸大きいし、手足は長いし…
モデル?!
「たい、あなたまだこんなことしてるの?」
「あれ?ねーちゃん」
……
…お姉さん?!え?!
お姉さんがいたの?!
「…あなたは?」
太陽の横でひっそり気配を
消して立っていたけど、
お姉さんにしっかり認識されてる!!
話し方は静かで冷静だけど、なぜかすごい圧力!
目力もすごい。
「あ、えっと…
家事代行してます、草…」
「あーーーー!」
突然太陽がわざとらしく声を出して、
私の口を手でふさいだ。



