雷の横を通りすぎようとした時、
彼が私の腕を掴んだ。
「なんで嘘ついた?今日」
……えっ?!!
バレてる!?
「急にいなくなって、
すっげ心配したんだけど」
「あ…ご、ごめんなさい」
「別に謝れっつってねぇーから。
理由を教えろってだけ」
理由!
車に乗る前に靴を脱いだなんて、
そんなおバカな貧乏人の話、言ったところで理解できんの?!
「急に家に戻りたくて」
「じゃあそう言えよ」
「だって…なんで?とかきくじゃん」
「あぁ」
「きいてほしくない」
「なんで?」
「なんで何でも雷に言わなきゃいけないの?他人なのに!」
「別に重大なことじゃねーだろ。
戻る理由なんて」
もう終わったことなのにどうでもいいじゃん。
なんでこんなに引っ張るんだろう…
「それに俺ら、
別に他人でもねーじゃん」
「はい?」
「一緒に寝たんだしな」
「なっ……!!」



