何をとぼけてるの?!

「さっきまで一緒にいたじゃないですか!」
「もしかして、
太陽兄さんが連れ込んだんですか?」


その時、ガチャリと音が聞こえて、
斜め後のドアから誰か出てきた。

「俺じゃないよ」


はーーーーっ!!
お、同じ顔が二つ!!


ま、待てよ…つまり…

私と寝ていた人は双子で、
先に出てきたこっちは別人だったのか!

…いや、待て…


私が出てきた部屋は一番奥、
この二人は手前のドアから出てきた……

「へーぇ、かわいい娘じゃないの。
新人さん?」
「兄さん、こんな格好で、どう見ても違いますよ。
全身ブランド品…
どっかのご令嬢では?」


しかもよく見ると髪色が違うな…
顔は同じだけど私と寝てた人はもっと派手だった。


この二人は黒髪だし…


最初に出て来た方は前髪をきれいに分けて整えてる。
後に来た方はふわっと自然に整っている。

うーん、顔は同じだから
前髪で見分けるしかないな。



「おい!逃げんなよ」