「庭に出る用のスリッパとかないのかな?」

そもそも玄関にシューズボックスらしきものがない。

なんでだ!

「木葉ちゃん!」

足音もなく突然声がきこえて
驚いて数センチ飛び上がった。

「大丈夫だった?」

振り替えると顔にあざやら絆創膏を貼った太陽が近寄ってきた。

「ええ?!どうしたの?そのけが!」
「こっちがききたいよ。
木葉ちゃん、足どうしたの?
包帯ぐるぐる巻きじゃん」

待って、太陽…
もしかして、本気で雷と朔さんにやらた…?
いや、さすがにここまでしないよね?
…??


「裸足で変なもの踏んだみたい」
「靴は?」
「あー、あるけど…
足が蒸れて脱ぎ捨てちゃって、
今から取りに行くところ」
「じゃあ、俺おんぶしてあげる。
履くものなくて困ってるんでしょ?」


いや…おんぶなんて…
恥ずかしいし…

と、ためらっていたら、
強引に太陽の背中に乗せられて、
そのまま外へ出たのだった。

「ええええ!重いって」
「ぜーんぜん」

辺りはもう真っ暗だった。
夜なのに外はまだ蒸し暑いけど。

「暗いから見つけられるかな…」
「あっちの方に行ってくれる?」