この辺は住宅と公共施設ばかりで
お店がない。
あれば靴屋に入ってお金が足りれば
何か買えたのかもだけど…
あっつあっつ言いながらしばらく歩くと
暑さで頭がくらくらしてきた。
はぁ…暑い…ちょっとそこの公園で休もう。
公園のベンチに座って時間を確認しようと
スマホをみたら、
雷からの着信に気づいた。
メッセージは既読になってるけど…
とりあえずかけ直そう。
「もしもし」
『どこ?』
『ううう!さっくん…ギブ!』
雷の声の後ろで太陽のうめき声が聞こえる。
ちょっと…警察沙汰やめてね…。
「あー、今病院に向かってて」
『は?』
「おばあちゃんが倒れて入院したらしくて!あー、急がなきゃ」
『何で言わねーの?
そしたら病院まで送れンじゃねーか』
「め、迷惑だし…」
いやいや、うそだから!
サンダルを家に忘れました~(笑)なんて言ったら、
ドン引きされて呆れられるんだから。
絶対ほんとのこと言えない。
『今どこ?』
「えーっと…どこだろ?…
あ!タクシーがきたから切るね!」
『おい!』



