こんなことなら、
羽目なんか外さずに
さっさと死んでおけばよかった。
隙あらば災難が降ってくる私の人生。
逃げることすら許されないのか。
はぁーー…
「金がねぇならうちで働いてもらうしかねぇな」
そんなこと言われると、
大体想像するのはいかがわしい店で
こきつかわれること…
ひぃぃぃぃぃぃ!!
嫌だっ!!
そういえばこの人、どう見ても『輩』!
そっち系の人に違いない…!
「…っ」
とにかくここから逃げねば!
物を壊したのは申し訳ない!
それは弁償したい!
ってゆうかしなきゃいけない!
でも、こんなやばい人と関わったら、
死ぬことすらできず、
生き地獄を味わうだけ!
どうして私はいつも、
不幸ばかりなんだー!!
「あっ!おいっ!どこ行くんだよ!!」
割れた陶器の破片を
踏まないように気を付けながら、
倒れた家具を乗り越えて部屋の外に出た。
外は広い廊下…
玄関が見えない!!
どこ?!
っていうか、ここは家なの?!
ワンルーム育ちの私には
ここが家だと認識できない!
とりあえず、一番先にあるドアに向かって走っていたら、
その手前のドアが突然開いて中から…
「ぎゃーーーーっ!!」
「わーっ!!!」
さっきの男が出てきた。
「どういうこと?!
なんであなたが?!」
「ちょ……え?誰ですか?!」



