朔さんがそう言うと、
雷はあきれたように言う。
「は?!おめ、夜勤明けだろ?寝ろよ」
「いや、さっき仮眠とったんで」
「いつも帰ってこねーのに、何なの?」
「よかったらこのまま乗ってください」
朔さん、
夜勤か…大変だなぁ…
顔色悪いけどほんとに大丈夫?
「シャワーくらい浴びろよ」
「浴びてきましたって」
「ぜってー嘘だな」
「まぁいいじゃない。
皆でいきましょ!
あなたたち家族なんだから」
「はぁー……」
不服そうな太陽を無視して、朔さんが助手席のドアを開けた。
「どうぞ、草詰さん」
「あ、どうも…
でも私、後ろに乗りますね」
後部座席のドアを開けると、幻覚なのかキラキラが見えた。
これは車なの?!
シート、テカテカだし、内装が近未来の乗り物みたいに
スタイリッシュでしかも7色に光ってる?!
こんなのに私のようなホームレスがのってよいのか!
「うわぁー…」
高級車!!!!
展示品みたい…絶対新車だわ。
シャワー浴びたての太陽が最後に車に乗り込み、
車は出発。
「太陽兄さん、なんで髪濡れたままなんですか?
それでシートにもたれかからないでくださいね」
朔さんがバックミラーを見ながら言った。
「急いだんだからー」
「じゃあ来ンなよ」



