「……」
太陽が私をぎゅっと抱き締めて、
耳元で「ありがとう」と言った。
「じゃっ、シャワー浴びてくるから待ってて」
太陽は急いで階段を上がっていく。
「いや、待たねーし!」
雷が叫んだ。
「いいじゃん、皆でいったら楽しいし」
「いや…楽しくねぇから…俺は…二人で…」
その時、ガレージに一台の高級外車が入ってきた。
私たち二人の前で停車し窓が開くと、疲れた表情の朔さんが顔を出した。
「どうしたんですか?」
「どうしたっつーか、
出掛けんだけど?」
「二人きりで?」
「あぁ!」
雷がイライラしたように返答した。
太陽との絡みですでに
イライラが積もってるのだろうけど、
朔さんかわいそうにとばっちり。
「家具を買いに行くんですよ」
「家具なら僕も欲しいものがありまして…
一緒に行きます」



