ご主人様は糖度高めの三つ子様



「…でも私、仕事が…」
「週末は俺ら自分でやってっから、
あいつら(太陽と朔)に
押し付けたらいいから」
「いいの?」

雷が頷く。

いいんだ!

「お前のせいでなくなったんだから、
一緒に家具、選べよな」
「いいけど…
私、家具選ぶセンスないよ」
「…なんでもいいから一緒に来い」


なんで買い物に誘うだけで
そんな真剣なのかよくわからないけど、
断る理由もないからOKしたのだった。



自分の部屋に戻って、
贅沢にも入浴剤入りのお風呂に浸かる。

こんなラグジュアリーな気持ちで入浴なんて夢みたい…


「はぁーーー…疲れたーー…」


目を閉じて今週を振り返る。

なんだか信じられない。
私がまだ生きてて、
こんな生活をしているなんて。

全部雷のお陰だなぁ。


そういえば雷って
私のことどう思ってんだろ?
部屋のものを破壊したんだから
そりゃあ怒ってるはずだけど、
何となく優しいというか…

そもそも雷とどうやって出会ったのか、
あの夜何があったのか
全く覚えてない。

あの危なそうなクラブで会ったんだろうか…
雷はああいうところに出入りするんだろうか…


お風呂から出て何のパジャマを着ようかと
バスタオルをまとったまま
クローゼットの前をうろうろしていたら
突然誰かがノックする音がきこえて、
めちゃくちゃ慌てる。


「は、はーい!」

誰っ?!何でもいいから着なきゃ!

テキトーに引っつかんだ淡い色のショートパンツと
短めのタンクトップを着てみる。