「僕はいつも完璧なものに囲まれて、
自分も完璧主義で生きてきたので、
なかなか融通がきかなくて…
悪いところだとわかっているのですが、
人って変わるのは難しいですね…」

急に真面目な話…
でも、私なんかにしてくれるんだ。

「完璧主義なのは
医者としていいことじゃないですか!
いい加減なお医者さんなら
患者は信頼できないですよね!
こんなもんでいっか~て、
診断されたらこっちは怖いですよ」

朔さんはクスッと笑った。

「まぁそうですね。
でも、他人がすることにも完璧を求めるもので…」
「だったら私は、朔さんには完璧なものを出しましょう!
といっても、見ての通り私はこんななので、完璧はできません。
でも、完璧に近づこうと努力はしますよ。
こんな風に。
だから朔さんも、少しだけならって許してくれませんか?」
「お互いに妥協点を見つけるんですね」
「うまくやっていくには
それしかないですもん」


確かにね…と、朔さんが頷いた。

水のタンクが重くないのか気になる…
置いたらいいのに。


「僕はよくイライラしているけれど、
それは兄さんたちにで、
草詰さんのことではないので」
「はぁー、よかったです。」

いつも怒られてる気がしてたからね。

「あ、今両手がふさがっているので、
卵焼き、食べさせてくれませんか?」