私の味覚が変なわけ?!
「よっ」
誰かがダイニングルームに入ってきた。
「わっ、雷か!おかえりなさい」
スーツだと雰囲気が違いすぎて誰だかわからん。
そしていつもと違いすぎて
ドキドキしてしまうじゃん!
「何これ?」
オムライスを指差す。
「晩御飯」
「これだけ?ってか、これ何?」
「オムライス」
「あー」
雷はオムライスが残った二つのお皿を見て、
残り二人のリアクションを察したようだった。
「卵難しいよな。
見てろよ」
彼は上着を脱いで、ネクタイをほどいてシャツの腕をまくると、
エプロンをつけてキッチンに入ってくる。
そして、私が作り直し用に刻んだ食材を使って、
レシピも見ずに見事なオムライスを完成させた。
「た、卵が、ふわふわとろとろ~」
お店の味!
「ここまでやんねーと、
あいつら食わねーぞ」



