ご主人様は糖度高めの三つ子様


ところで、
私は三つ子の部屋を
掃除していない。

彼らの部屋には許可なく入るなと
マニュアルに書いてあった。
掃除が必要な場合は三つ子から
清掃の依頼があるとのこと。


でも、まぁ、見つからなかったら
別にいいでしょ?

入ったら何の罰があるのかしらないけど
私は今夕飯を作らなきゃいけないという壁に
直面して困ってるんだから!


うーん、でも、誰の部屋に入ろうか…

雷は勝手に入ったら怒りそうだけど、
理由を知ったら許してくれそう。

朔さんはダメな気がする。

太陽さんはもし見つかっても
怒ったりしなさそうだよね。
なんなら部屋に誘ってたくらいだし。


マニュアル本で太陽さんの部屋の位置を確認し、
部屋に侵入してみる。

「うわ!ひろっ!」

あまりにすごいから、
パソコンのことを忘れて部屋を見回した。

宮殿の寝室かとつっこみたくなる広さ。
ガラス張りの壁は窓と呼ぶのか?
雷の部屋と同じキングサイズのベッドと、
高そうなソファー。

「テレビでかすぎじゃん…
映画館かっ!」

ふっかふかのうさぎの毛みたいなラグを発見して
思わずうつ伏せに寝転ぶ。

「ほぁーー!なにこれ、きっもちぃ~
こんなもふもふがあるなんて~
ここで寝たいー」


「…寝てもいいよ」