「あ、俺そろそろ行くから
後はやっとけよ。マニュアル見ながら」
「はっはい!」
二人で雷の絶品料理を頂いた後、
彼はスーツを着て出掛けていった。
「はあーーーーーーー
……疲れた」
過去最長のため息が出てしまった。
リビングのふかふかソファーに
許可なく倒れこんで、
天井を見つめてみる。
あの人たちは恵まれてるなぁー。
こんな大きな家に住んでて、
文句のつけようがないルックス、
お金だって女だってなに不自由ないんだろうなぁー
頭だってよくて料理もできて…
対して私は…
惨めだ…
めちゃくちゃ格差感じる。
こっちはその日食べるのも必死なのに、
高級食材しか食べてない彼ら…
なんだかモヤモヤしながら
起き上がってリュックに入れて持ち歩くことにした
重いマニュアル本を開く。
「へぇー、やれやれ」
これを完璧にこなせる日がくるのだろうか…



