ご主人様は糖度高めの三つ子様


『※4階の広いダイニングルームは
来客の時等、特別な時に使う。
普通の食事は2階の普段使い用
ダイニングルーム』

知らんがな!!
二つもあるの?!



「おはようございます!
す、すみません…あのう…」

普段使い用ダイニングルームは昨日見た
特別用より小さくて、
もっと生活感があった。
といっても、広すぎる部屋、
高すぎる天井、高そうな家具たちを見ると、
庶民の生活感とは違う。

「今から作ります」

私がやってきたのに気づいて、
雷が顔を上げた。
既に髪は完璧にセットされている。

うーん、やっぱりかっこいいなぁ…

朝からこんな目の保養ができるなんて…
しかも心なしか輩っぽさが軽減されてる…
なんでだろ…?
あ、ワイシャツ着てるから?
一応弁護士なんだもんね…?
まだ信じられないけど。


キッチンへ入ってよく見ると
彼は黄色いギンガムチェックのエプロンを着けていた。
で、味噌汁の味をみていた。

「よ」

目つき鋭いのにエプロン…
なんか…ギャップに萌える。
しかもそのエプロンは誰の?

「太陽さんは?」
「あー、急ぎみたいで、
朝食できてなかったから、
コーヒー買って行くって言ってた」

や、やらかした…怒ってるかな…?

「朔さんは?」
「知らね。シャワーでも浴びてんじゃね?
あいつ朝シャン派」

と、そこにちょうど髪をタオルで拭きながら
朔さんが部屋に入ってきた。

昨日見た時、髪はピッチリ整えられていたけど、
今は濡れてボサッとしてなんかかわいい。

「おはようございます」
「……え?どちら様?」
と朔さんは目を丸める。
「へっ?」
「はぁ?草詰だろ。
なに、おめ、コンタクト入ってねぇの?」
「僕は目がいいんですけど?!
草詰さん?昨日いた新人さんですよね?
いや、その人じゃないじゃないですか」