ご主人様は糖度高めの三つ子様



「そっかそっか!
まずは自分の部屋だよね」

こ、この人…
基本、距離が近いんだが…?


「さ、ここだよ」
「うわー!」


なんだここは!
この部屋一つで私の住んでた家の
数倍あるんだけど?!

「木葉ちゃんの完全プライベートルーム♪
お風呂、トイレ、キッチン、ランドリールーム、
ぜーんぶこの中にあって、
木葉ちゃん専用のだから。
俺らのは別にあるから、
お仕事の時はそっちを使って。
あと鍵もかけられるから、渡しとくね」


はぁーっ!!?
この部屋だけで、
一つの家として
完成してるってことじゃん!
家の中に家があるって
…どんな家だ!

「こ、こんなの…
家賃を払わずにいいんですか?」
「うちの中なんだから家賃はかからないよ(笑)」


いや、家族じゃないんだが?!

「クローゼット小さくない?
木葉ちゃん、
服たくさんもってそうだから」


は!そうだ…
今の私は完全に
お金持ち装備なんだった!

そっか、そんな風に思われてるよね…
でも実は、もう着る服が無いんです…

でも、そんなこと言えない。
死のうとしてたから持ち物全部捨てたとか、
財布も銀行口座も空だとか…

でも、ここで働いてもお給料はもらえない。
家具を弁償する代わりに
働かせてもらってるんだし。

え?じゃあ、服、どうしよう?!

「ってゆうか、ほんとかわいいなぁ。
すごくタイプなんだけど」
太陽さんが私に視線を合わせる。
「ほっ?!!」

恥ずかしくなって急いで顔を背けた。


「太陽、替われ」

その時、次男、雷さんが部屋に入ってきて、
私の腕を引っ張った。