突然後からした声に驚いて、
危うく柵から落ちそうになる。

「わっ…!」
「あっぶね」


危ういところ
私の手を引いてくれたのは、さっきのライさんだった。

そのまま私をひょいっと持ち上げて、近くにあった木のベンチに座らせた。
そして、私の足元にサンダルを置く。

「ほら」

彼はサンダルの前に跪いた。

「いいんです。使えないし」
「は?こういうデザインな、これ」
「あ…」
「紐、結ぶんだろ」

あ、なるほど!!
こんなおしゃれなの履いたことないからわかんないじゃん!


「働くのって…
何のお店ですか?」
「店じゃねぇよ。家。
俺が言ってんのは、
ハウスキーパーの仕事」
「え?いかがわしい店じゃないんですか?」

…なんだ!!家政婦か!!早よ言え!

「はぁ?俺がそんなやべー奴にみえるか?」
「あ、まぁ…すみません」
「え、まじかよ…」
「なんか…勘違いしてごめんなさい」
「…怖がらせたくねぇから言っとくけど、
俺、職業弁護士だから」