できるだけリアリティがあって、更に親友だった私だからこそ知ってる情報や知識を総動員して咲良を《《加害者》》に仕立てあげた。
咲良を装ってSNSの裏垢を作り、咲良が私の作品を盗作していることを面白おかしく書いて投稿した。
投稿写真には咲良の誕生日にプレゼントした、クマのキャラクターの缶があえて映りこむように細工をして。
私はちょうど間近に迫っていた咲良の誕生日に渡すプレゼントを買った際、自分も同じものを買っていたのだ。
勿論、そのことは咲良に言っていない。
そして咲良に誕生日プレゼントを渡す際、私は多くの人の目が触れるようにわざと教室の昼休みに渡した。
クマのキャラクターの缶入りお菓子に喜ぶ咲良の姿を、できるだけ多くのクラスメイトに印象づけるために。
更にちょうどその頃、高校である事案が問題になった。それはうちのクラスの誰かが美術部の顧問と付き合っているらしいと通報があったのだ。内心、私はほくそ笑んだ。
校長のところへこっそり訪ねていき、その際の聞き取り調査で放課後、その顧問と抱き合っていたのが咲良だと嘘を吐いた。
そしてそんな中、咲良が二度目の大賞を獲ったと担任から正式にクラスで発表があった際、私はアイディアを盗むなんて酷い、と泣いて叫んでみせた。
そのまま、私はさも過呼吸になったかのように演じ、病院に搬送された。更に翌日から体調不良を理由に学校を欠席した。
徹底的に《《被害者》》を装うために。皆んなと呼ばれる大多数に被害者である自分を印象づけるために。
小さな嘘は火種と同じだ。
ほんの小さな嘘は、噂と憶測であっという間に燃え盛り真実は灰と化す。
「どう? これで満足?」
私の秘密の告白を黙って聞いていた川本さんを見れば、その体は怒りから震えている。
咲良を装ってSNSの裏垢を作り、咲良が私の作品を盗作していることを面白おかしく書いて投稿した。
投稿写真には咲良の誕生日にプレゼントした、クマのキャラクターの缶があえて映りこむように細工をして。
私はちょうど間近に迫っていた咲良の誕生日に渡すプレゼントを買った際、自分も同じものを買っていたのだ。
勿論、そのことは咲良に言っていない。
そして咲良に誕生日プレゼントを渡す際、私は多くの人の目が触れるようにわざと教室の昼休みに渡した。
クマのキャラクターの缶入りお菓子に喜ぶ咲良の姿を、できるだけ多くのクラスメイトに印象づけるために。
更にちょうどその頃、高校である事案が問題になった。それはうちのクラスの誰かが美術部の顧問と付き合っているらしいと通報があったのだ。内心、私はほくそ笑んだ。
校長のところへこっそり訪ねていき、その際の聞き取り調査で放課後、その顧問と抱き合っていたのが咲良だと嘘を吐いた。
そしてそんな中、咲良が二度目の大賞を獲ったと担任から正式にクラスで発表があった際、私はアイディアを盗むなんて酷い、と泣いて叫んでみせた。
そのまま、私はさも過呼吸になったかのように演じ、病院に搬送された。更に翌日から体調不良を理由に学校を欠席した。
徹底的に《《被害者》》を装うために。皆んなと呼ばれる大多数に被害者である自分を印象づけるために。
小さな嘘は火種と同じだ。
ほんの小さな嘘は、噂と憶測であっという間に燃え盛り真実は灰と化す。
「どう? これで満足?」
私の秘密の告白を黙って聞いていた川本さんを見れば、その体は怒りから震えている。



