「な、何してるの?!」
「死体が埋まってるかも」
「冗談やめてよっ」
「ほら、よく言うじゃない。桜が薄紅色なのは木の下に埋まってる死体の血を吸ってるからって」
「やめてったら!」
足がガタガタと震えてくる。
川本さんはどこまで知っているんだろう。
川本さんはどうして私が嘘をついたせいで咲良が死んだことを知っているんだろう。
「あ、あった」
少しの間、せわしなくスコップを動かしていた川本さんは、木の根本から古びたお菓子の缶を取り出すとにこりと微笑んだ。
「見て。タイムカプセルだよ」
(タイム……カプセル?)
私はそのお菓子の缶をみて、さらに血の気が引いてくる。
そのお菓子の缶はクマのキャラクターが描かれていて私が高校三年の咲良の誕生日の時にプレゼントしたものだったから。
「実果ちゃんが開けてよ」
川本さんは無理やり私の手に錆びた缶を押しつけた。
「ちょっと……私……嫌だよっ」
咄嗟にそう言ったあと、私は川本さんを見てその鬼気迫る表情に言葉を失う。
川本さんから向けられている視線は、明らかに私に対する軽蔑と強い憎しみがこもったものだった。
「死体が埋まってるかも」
「冗談やめてよっ」
「ほら、よく言うじゃない。桜が薄紅色なのは木の下に埋まってる死体の血を吸ってるからって」
「やめてったら!」
足がガタガタと震えてくる。
川本さんはどこまで知っているんだろう。
川本さんはどうして私が嘘をついたせいで咲良が死んだことを知っているんだろう。
「あ、あった」
少しの間、せわしなくスコップを動かしていた川本さんは、木の根本から古びたお菓子の缶を取り出すとにこりと微笑んだ。
「見て。タイムカプセルだよ」
(タイム……カプセル?)
私はそのお菓子の缶をみて、さらに血の気が引いてくる。
そのお菓子の缶はクマのキャラクターが描かれていて私が高校三年の咲良の誕生日の時にプレゼントしたものだったから。
「実果ちゃんが開けてよ」
川本さんは無理やり私の手に錆びた缶を押しつけた。
「ちょっと……私……嫌だよっ」
咄嗟にそう言ったあと、私は川本さんを見てその鬼気迫る表情に言葉を失う。
川本さんから向けられている視線は、明らかに私に対する軽蔑と強い憎しみがこもったものだった。



