※
──ピピピピッ
どこかで聞き覚えのある目覚ましの音に私は無意識に手を伸ばしていた。
指先に何かがコツンと当たり音を止めると、私は瞼を開けた。
(ここって……)
私は見慣れた天井に驚くと慌てて起き上がった。
(どうして……私、死んだはずじゃ……)
そして私はハンガーラックに掛けられている制服を見て目を見開いた。
「なんで制服……捨てたはずなのに」
さらにはベッド横に置いてあるスマホは私が使っていたスマホの一つ前のものだ。
(機種変したのに)
指紋認証でロックを外し、私は声を上げた。
「えっ……二〇二三年、四月?!」
どくどくと身体の中の血流の音が聞こえてくる中、スマホにLINEメッセージが入る。
「……うそ……っ」
──『実果ちゃんおはよ。昨日は桜綺麗だったね』
送り主は咲良だった。
そして添付されたのは月明かりに照らされた美しい夜桜だ。
(これは夢……それとも……)
私は最期の瞬間、強く願った。
もしも死んで咲良に会えたなら謝りたいと。愚かな自分を赦してくれなんて言わない。ただ自分勝手に捻くれて、欲望と嫉妬に狂った私を軽蔑して欲しいと。
いまこの瞬間が夢の中なのか死後の妄想なのかはわからない。
私は制服に着替えると自宅を飛び出した。
そしてひたすらに学校を目指して駆けていく。
咲良にもう一度会うために──。
──ピピピピッ
どこかで聞き覚えのある目覚ましの音に私は無意識に手を伸ばしていた。
指先に何かがコツンと当たり音を止めると、私は瞼を開けた。
(ここって……)
私は見慣れた天井に驚くと慌てて起き上がった。
(どうして……私、死んだはずじゃ……)
そして私はハンガーラックに掛けられている制服を見て目を見開いた。
「なんで制服……捨てたはずなのに」
さらにはベッド横に置いてあるスマホは私が使っていたスマホの一つ前のものだ。
(機種変したのに)
指紋認証でロックを外し、私は声を上げた。
「えっ……二〇二三年、四月?!」
どくどくと身体の中の血流の音が聞こえてくる中、スマホにLINEメッセージが入る。
「……うそ……っ」
──『実果ちゃんおはよ。昨日は桜綺麗だったね』
送り主は咲良だった。
そして添付されたのは月明かりに照らされた美しい夜桜だ。
(これは夢……それとも……)
私は最期の瞬間、強く願った。
もしも死んで咲良に会えたなら謝りたいと。愚かな自分を赦してくれなんて言わない。ただ自分勝手に捻くれて、欲望と嫉妬に狂った私を軽蔑して欲しいと。
いまこの瞬間が夢の中なのか死後の妄想なのかはわからない。
私は制服に着替えると自宅を飛び出した。
そしてひたすらに学校を目指して駆けていく。
咲良にもう一度会うために──。



