純愛×未満



「彼女に、悪いと思ったりしないんですか?」

三時間目の始まりを告げるチャイムが鳴る前に、今さらながら当然の疑問をぶつけた。

「お前が、それ聞くんだ?」

先輩は、軽く笑い、あたしのセーラー服のスカーフに手を伸ばす。

「結び方、へたくそだな」

「先輩だって、ボタンかけ違ってるよ」

「マジ? 直して」

「は? めんどくさ……」

文句を言い、間違った位置に収まっているボタンを外してやる。
他人の服のボタンは、扱いにくい。

「サンキュ」

そう言って、今度はあたしのスカーフを解いた。

「何してんですか」

「気の毒なくらいへたくそだから。結び直し」

先輩は、器用に手早く、スカーフを結んでいく。
小さく衣擦れの音が、ベッドを囲むカーテンの中で響く。