純愛×未満



「ねぇ先輩。彼女、可愛い?」

一週間後、水曜日、二時間目。

いつもの保健室のベッドで、あたしは先輩の目の前で正座をする。
フカフカしていて、このベッド、座るのには向かないな。

先輩は、自分のシャツのボタンを触る手を止める。

「え? 彼女? って、誰の? 俺の?」

あたしはこくんと頷く。

「先輩の」

「お前も、そんな可愛いこと聞いてきたりするんだ?」

「可愛いこと?」

可愛いのかって聞いてるのは、あたしの方。
何言ってんの、この人。

そして、なに笑ってんの。
手で口を隠してるけど、目が糸みたいに細くなってるからバレバレだよ。

「あー、ほら、お前は結ぶなって。へたくそなんだから」

そして、制服のスカーフを結んでいる途中のあたしの手を奪い、先週と同じように結び始めた。