イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

スマホの画面をスワイプする指先が、わずかに震えている。
男は、駅のホームで撮った写真を拡大した。

ピントは甘く、距離も遠い。
けれど、そこに写っているのは確かに――あの女だった。

ふわりと揺れるミディアムボブ。
きれいな鼻筋。優しそうな目。

男は、スマホの画面をなぞるように指を滑らせる。

「可愛いよな……やっぱ、おれの見る目ってあるよ」

そう呟いた声は、ひどく静かで、落ち着いていて、どこか無邪気だった。

名前は知らない。年齢もわからない。
でも、そんなのは関係なかった。

「見つけたのは、おれだし。先に好きになったのも、おれだし」

ベッドの上、膝を立てて座りながら、男はスマホの画面を見つめ続ける。

その目は熱っぽく、執着に濁っていた。

「会って話せば、きっとわかる。おれのこと、きっと気に入る。絶対に」

部屋の壁には、何枚かの写真が貼られている。
スーパーの出入り口、バス停、住宅街の角。

すべて、同じ女の姿だった。