イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

部屋に戻り、ドアの鍵を閉めたあとも、しばらくその場を動けなかった。

(あの手の温度……ずっと、覚えてる)

触れられた場所が、まだほんのりと温かい気がした。

頭を撫でられたのなんて、いつぶりだろう。

たった一瞬のことなのに、
心の底から“あの瞬間に戻りたい”と思ってしまった自分に驚く。

(……私、神谷さんのこと……)

まだその先を言葉にするには早すぎた。

けれど確かに、彼はただの警察官ではなくなっていた。

安心。
温もり。
そして、心を許せる“特別な誰か”として――。