イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「ありがとうございます……神谷さん」

そう口にした瞬間、涙が出そうになった。

どうしてかは、わからない。
でも、言葉の奥に詰まっていたのは、感謝と安心と――どこか弱さだった。

「……ほんの少しだけでいいので、ここにいてもらってもいいですか?」

その願いに、神谷は迷いなく頷いた。

二人で、しばらく黙って玄関の前に立ち尽くす。

風が吹き抜けるたびに、神谷の制服のすそが揺れた。
その音さえも、美香奈にとっては守られているような響きだった。

ふいに、神谷の手が伸びる。

そして、そっと、美香奈の頭に置かれる。

「……よく頑張ってますね」

その一言で、張り詰めていたものが音を立てて崩れた。

美香奈は、声を出さずに、小さく嗚咽を漏らした。