イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

自宅前まで歩くあいだ、会話はなかった。

けれどその沈黙は、不思議と居心地が良かった。

「……怖かったんです、さっき。誰かに見られているような感じがして」

玄関の前に立ったとき、美香奈はぽつりと打ち明けた。

神谷はわずかに目を細める。

「具体的な場所や人物の特徴、覚えていますか?」

「いえ……ただ、気配のようなもので……
でも、あれは……本当に誰かが、見ていたと思います」

神谷はしばらく黙っていたが、ゆっくりと頷いた。

「わかりました。詳細は改めて記録に残しておきます。
巡回ルートも少し広げますので、何か変化があればすぐに知らせてください」

その誠実な言葉に、美香奈の心はふっと軽くなった。