イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

翌朝――

窓の外は雲がかかっていたが、不思議とその景色に、昨日のような重さは感じなかった。

身支度を整えながら、美香奈は玄関のセンサーライトが点くのを確認した。
心のどこかにまだ警戒はある。けれど、昨日より確実に、気持ちは軽くなっていた。

携帯を開くと、未読のメッセージがひとつ。

巡回予定を変更して、今日の午前中に立ち寄ります。
玄関前で一言だけお声かけますが、対応は無理をしないでください。
―神谷

(……やっぱり、来てくれるんだ)

画面を見つめながら、頬がゆるむ。

何も始まっていない。
でも、何かが確かに“始まりつつある”ことに、彼女は気づいていた。