イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

電話を切ったあとも、美香奈の胸の奥は、じんわりと温かさに包まれていた。

話したのは、ほんの数分。
けれど、それだけで呼吸が深くなった気がした。

(本当に、ありがとう)

画面に残った“通話終了”の文字を見つめながら、心の中でつぶやいた。

誰かと繋がっているということ。
それが、これほどまでに力をくれるなんて思わなかった。

(あの人がいてくれる。そう思えるだけで、怖さが少しずつ溶けていく)

不安も、恐怖も、すぐに消えるわけじゃない。
でも――立ち向かう気持ちをくれる誰かがいる。
それだけで、人は前を向けるのだと知った。

美香奈は、毛布をしっかりと体に巻き直し、ベッドの中で目を閉じた。

耳に残るのは、あの落ち着いた声。

(おやすみなさい、神谷さん)