イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

玄関前に立つと、やはり体がすくんだ。

けれど、意を決して鍵を差し込み、ドアを開ける。

何もない。

ただ、自分の部屋があるだけだった。

それでも、足を踏み入れた瞬間、喉の奥がきゅっと締めつけられた。
この空間に、あの夜、“誰かがいた”という事実が、静かに心を締めつける。

荷物を下ろし、椅子に腰を下ろす。
窓の鍵を確認し、ベランダのカーテンを閉める。

たったそれだけの動作に、肩が疲れていた。

けれど、心の片隅に――神谷の言葉が残っている。

「来ましたよ。ちゃんと」

思い出すたびに、少しずつ、不安が薄らいでいく。

彼がそこにいたこと。
あのとき、すぐに駆けつけてくれたこと。
全部が、今の自分を支えていた。