イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

神谷が去ったあと、診察室の外で少しだけ一人になった。

待合室の空気は冷たく、隣り合う椅子はどれも空席だった。
外はもう夜になっているはずなのに、窓の外を見ても、何も見えない。

(……あの人が来てくれて、よかった)

恐怖に囚われる寸前で、あの声に触れられたこと。
あの手に、そっと肩を支えられたこと。
それだけで、崩れかけた心が繋ぎ止められていた。

(ちゃんと立ち直らなきゃ)

事件が終わるのをただ待つだけじゃなくて、
自分の足で、もう一度、日常を取り戻すために――。

「橋口さん」

呼ばれて顔を上げると、真木弁護士が立っていた。