イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

聞き取りを終えたあとも、神谷はしばらく無言のまま、美香奈の様子を見つめていた。

目を伏せたその横顔には、言葉にできない疲労と、張り詰めた緊張が滲んでいた。

「……橋口さん」

呼ばれて、ゆっくり顔を上げる。

「ご家族、もしくは信頼できる方と、数日間だけでも一緒に過ごせる場所はありますか?」

「……いえ。両親も遠方で、友人にも、まだこのことは……」

神谷は小さく頷いた。

「先ほど、マンションの管理会社と連絡を取りました。
今回の件を受けて、オーナーの意向で、玄関に仮設の監視カメラを設置する方向で準備中とのことです。」

「え……大家さんが?」

「はい。“今できる範囲で、協力したい”と。セキュリティ会社もすぐに手配するそうです」

「……ありがとうございます……本当に……」

その返答を聞きながら、神谷は何かを迷うように、言葉を飲み込んだ。
そしてほんの一瞬、視線が揺れた。

「……今日、誰も来てくれなかったら――って、思ったんです」

美香奈がぽつりとつぶやいた。

神谷はその言葉に、わずかに眉を寄せた。
けれどすぐに、静かに返す。

「来ましたよ。ちゃんと」

その一言に、美香奈は少しだけ目を潤ませた。