イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

診察室から出てきた美香奈の右肩には、包帯と簡易な固定具が巻かれていた。

医師の説明は、打撲と軽度の捻挫。
念のため数日は安静に、とのことだった。

待合ロビーに神谷が立っていた。

その姿を見た瞬間、胸の奥にふっと温かさが広がった。

「……どうでしたか?」

「骨には異常ないそうです。ただ……少し動かすのが痛くて」

神谷は小さく頷き、手帳を開いた。

「今から簡単な聞き取りをさせていただきます。痛みや体調に支障があれば、中断しますから」

美香奈は頷いた。

いつもと変わらない冷静な口調。
けれどその声のトーンは、どこかほんの少しだけ柔らかかった。

「襲ってきた相手を見ましたか?」

「……後ろからだったので、顔は……でも、体格は男性で……180センチ近く、たぶん……」

ペンが紙を走る音だけが静かに響く。

「大丈夫です。ゆっくりでいいので、思い出せることだけ教えてください」

その言葉に、美香奈は小さく息をついた。

(この人の“大丈夫”って、こんなに安心するんだ……)