「このまま、パトカーの中でお待ちください。救急がすぐ来ます」
神谷の言葉に、美香奈は静かに頷いた。
座席のドアを開けてくれた神谷の動きは、いつもより少しだけ慎重だった。
車内の明かりがやわらかく灯る。
その中に身を沈めると、張り詰めていた緊張が一気にほどけていく。
寒さが染みて、肩が小刻みに震えた。
その様子を見て、神谷は無言で後部トランクを開けた。
そして、応急用の毛布を一枚、手に取って戻ってくる。
「これ、使ってください」
差し出された毛布を、震える手で受け取ろうとした瞬間――
神谷が、そっとそのまま、美香奈の肩にかけてくれた。
無言のまま、何も言わずに。
でも、その手つきは、どこまでもやさしかった。
「……ありがとうございます」
小さく呟いた声に、神谷はわずかに頷いた。
その目は、変わらず彼女をまっすぐに見つめていた。
パトカーの中の静けさに、遠くから救急車のサイレンが近づいてくる。
けれど――
美香奈の胸に灯ったあたたかさは、それをかき消すように、深くしっかりと残っていた。
神谷の言葉に、美香奈は静かに頷いた。
座席のドアを開けてくれた神谷の動きは、いつもより少しだけ慎重だった。
車内の明かりがやわらかく灯る。
その中に身を沈めると、張り詰めていた緊張が一気にほどけていく。
寒さが染みて、肩が小刻みに震えた。
その様子を見て、神谷は無言で後部トランクを開けた。
そして、応急用の毛布を一枚、手に取って戻ってくる。
「これ、使ってください」
差し出された毛布を、震える手で受け取ろうとした瞬間――
神谷が、そっとそのまま、美香奈の肩にかけてくれた。
無言のまま、何も言わずに。
でも、その手つきは、どこまでもやさしかった。
「……ありがとうございます」
小さく呟いた声に、神谷はわずかに頷いた。
その目は、変わらず彼女をまっすぐに見つめていた。
パトカーの中の静けさに、遠くから救急車のサイレンが近づいてくる。
けれど――
美香奈の胸に灯ったあたたかさは、それをかき消すように、深くしっかりと残っていた。



