イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

帰宅すると、ポストには何も入っていなかった。

当たり前のようで、それだけで少しだけ、肩の力が抜ける。

携帯が震える。

ディスプレイに表示された名前を見て、自然と口元がほころんだ。

『神谷です。今日の巡回、担当は私です。少し早めに近くを回りますので、何かあればすぐ連絡を』

「……ありがとうございます。今のところ、大丈夫です」

『それを聞けてよかった』

その一言に、鼓動が少しだけ速くなる。

神谷の声は、電話越しでも変わらず落ち着いていた。
けれど、美香奈には、どこか“少しだけ親しみ”が混ざっているように感じられた。

「今日……職場に戻ったんです。
みんな、あたたかく迎えてくれて。
なんだか、ちょっと泣きそうになりました」

『……それは、よかったですね』

ほんのわずか、間が空いた。

『……ちゃんと、がんばってますね』

その言葉に、思わず胸がきゅっと締めつけられた。

(どうして、そんな一言が、こんなにも優しく聞こえるんだろう)