イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「それじゃあ、失礼します。なにか変化があったら、すぐ連絡を」

神谷はそう言って、玄関の方へと向かっていった。

ドアを開ける直前、彼は少しだけ振り返る。

「……今夜は、しっかり休んでください」

それだけを言い残し、ゆっくりと歩き去っていく。

閉まりかけたドアの向こうに、その背中が消えていくのを見送る。
けれど、その姿は――なぜか心の中に、くっきりと残っていた。

(来てくれて、本当に良かった)

たったそれだけのこと。
事件が起きたわけでもなく、誰かに何かされたわけでもない。

それでも。

“呼べば来てくれる人がいる”という事実が、どれだけ心強いものなのか。
それを、美香奈は今、はっきりと感じていた。

孤独じゃないと思えたこと。
守られていると感じられたこと。

その全てが、胸の奥であたたかく響いていた。