「……正直に言えば」
神谷はふと、視線を少しだけ外して言った。
「今回は本当に、何もなかったのかもしれないと思っています。でも、僕は――橋口さんが“怖い”と感じたこと、それ自体が大事だと思うんです」
その声は、これまでのどのやりとりよりも柔らかかった。
「ありがとうございます。そう言ってもらえると……少し、救われます」
美香奈は素直にそう返した。
気づけば、ここ数日感じていた緊張が、ほんの少しだけほどけていた。
神谷は少しだけ間を置いてから、続けた。
「……僕も、誰かに“怖い”と言われたことがあります。たぶん、見た目のせいですね。昔から無表情だと言われてきました」
その言葉に、美香奈は思わず小さく笑ってしまった。
「そんなこと……ないとは言えないけど。でも、今日の神谷さんは、全然“怖く”なかったです」
その一言に、神谷はほんの一瞬だけ――わずかに、目を細めた。
神谷はふと、視線を少しだけ外して言った。
「今回は本当に、何もなかったのかもしれないと思っています。でも、僕は――橋口さんが“怖い”と感じたこと、それ自体が大事だと思うんです」
その声は、これまでのどのやりとりよりも柔らかかった。
「ありがとうございます。そう言ってもらえると……少し、救われます」
美香奈は素直にそう返した。
気づけば、ここ数日感じていた緊張が、ほんの少しだけほどけていた。
神谷は少しだけ間を置いてから、続けた。
「……僕も、誰かに“怖い”と言われたことがあります。たぶん、見た目のせいですね。昔から無表情だと言われてきました」
その言葉に、美香奈は思わず小さく笑ってしまった。
「そんなこと……ないとは言えないけど。でも、今日の神谷さんは、全然“怖く”なかったです」
その一言に、神谷はほんの一瞬だけ――わずかに、目を細めた。



