イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

(……見られてる? 本当に?)

自分に問いかけながらも、心臓の鼓動が早くなるのを止められなかった。

その人物は微動だにせず、屋上のフェンスに手をかけて、ただこちらを見ている。

視線が合っているわけではない。
けれど、“見られている”という感覚だけが、はっきりと皮膚に刺さっていた。

思わずカーテンを引き、窓から離れた。
その瞬間、背筋を冷たいものが走る。

(まさか、偶然じゃない……? あの人、こっちを――)

頭の中でいくつもの思考が渦を巻く。
どうする? もう一度警察に? 神谷さんに……?

胸ポケットにある名刺の存在を思い出す。
でも、すぐに連絡するには――まだ“決定的な何か”が足りない気がして、手が止まる。

けれどこのまま、何もしなかったら。

(……怖い)