イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

ポストから取り出した白い封筒には、差出人も宛名もなかった。

触れた瞬間、ざらついた紙の感触が手のひらに不気味にまとわりつく。

(まさか、また……?)

嫌な予感が、喉の奥をせり上がる。
リビングの明かりをつけ、そっと封を切った。

中には、一枚の紙。
たった一文だけ、印刷されたような均一な文字が並んでいた。

“近くにいます。”

その瞬間、背筋を冷たいものが駆け抜けた。
手が震える。息が止まりそうになる。

たった六文字。
けれど、その言葉は、どんな長文よりも重く、恐ろしく感じられた。

近くにいる? いつ? どこで? 誰が?
心の中で問いが溢れ返るのに、答えはひとつもない。

窓のカーテンを引き、玄関の鍵をもう一度確認した。
それでも、不安は拭えなかった。

あたたかくなりかけていた日常に、また、ひびが入った。

(神谷さん……)

思わず、その名前が心に浮かんだ。
今、誰かに助けてほしい。その“誰か”の顔が、まっさきに浮かんでいた。