イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

その言葉は、淡々としていて、感情がこもっているようには聞こえなかった。

けれど、美香奈の心には、まっすぐ届いた。

飾らない言葉。
誰にでも言っているはずの台詞なのに、彼が言うと、不思議と説得力があった。

(ちゃんと向き合ってくれてるんだ)

たとえ言葉数が少なくても。
笑顔がなくても。
それでも、この人は誠実に対応してくれる――そんな信頼のようなものが、少しずつ胸に積もっていく。

神谷は何か言いかけたように見えたが、口を閉じた。
代わりに、ゆっくりと帽子のつばに手を添えて会釈する。

「また、いつでも」

それだけ言って、交番の中へと戻っていった。

見送る美香奈の胸の中に、ぽつんと、やさしい音が残った。

(こんなふうに、人を頼りたいって思えたの……いつぶりだろう)

自分でもわからないまま、自然と微笑みがこぼれていた。