イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

午後、外回りの用事を終えて、事務所へ戻る途中。
自然と足が交番の前で止まった。

(いるかな……)

そんなふうに思ってしまう自分に、少しだけ笑ってしまう。

まるで、誰かに会いたくて遠回りする高校生みたいだ。
けれど、それでもいいと思えた。

中を覗くと、神谷が窓口に座っていた。
ちょうど誰かに道案内をしているようで、手元の地図を指差して説明している。

その姿は、どこかぎこちなくもあり、誠実でもあった。

少し離れたところで立ち止まっていると、やがて神谷がこちらに気づいた。

「あ……こんにちは」

小さく会釈をすると、神谷も軽く頭を下げて歩み寄ってきた。

「何か、困ったことでも?」

「いえ……ただ通りかかっただけです。お仕事中、すみません」

神谷は少しだけ首を横に振って言った。

「いえ。……そうですか」

それだけのやり取りなのに、心がふわりと温かくなる。