イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

翌日、午前中の仕事を終えて、オフィスの窓際でコーヒーを飲んでいた。

書類の山に追われる中で、少しだけ頭を休めたくて。
そんなとき、ふいに昨日の帰り道――神谷の姿が浮かんだ。

(“気をつけて帰ってください”……)

あの言葉を、彼はどんな気持ちで言ったのだろう。

仕事だから? それとも、ただの挨拶?
考え始めたらきりがない。でも、どちらでも構わなかった。

むしろ――また、会えたらいいな。
今度はもう少し、話がしてみたい。

無口で、無愛想で、でも不思議と安心できるあの空気。

自分でも気づかないうちに、その存在が心の中に少しずつ広がっているのを感じていた。

真木先生の言っていた「見た目で損してるけど誠実な人」という言葉が、じんわりと思い出される。

(神谷さん……)

心の中で名前を呼ぶだけで、ほんの少しだけ、頬が熱くなるような気がした。